申請実務⑧(事業復活支援金)

 個人事業者の方の中には事業を同時に複数行っておられる方もあります。その場合でも事業復活支援金の申請に関する売上額の算定は、確定申告書の単位で行いますので、複数の事業を一つの確定申告にまとめているのであれば、全体の売上額の比較で検討することになります。

 例えば事業Aと事業Bを営む方で、Aの業績がコロナの影響で落ちこんだ反面Bの業績が落ちなかったとします。その場合でもAB合わせた全体で30%以上の落ち込みになるのであれば売上減少に関しては申請要件を満たします。当然、基準月と対象月の売上台帳は2事業分を撮影して添付することになります。その際は、それぞれの月合計額をマーカーして、最後に合算して 〇年〇月売上合計〇〇円 という風にわかりやすい記載を書き加えることがポイントです。

 確定申告の手続を外部に委託している事業者の方に多いのですが、確定申告書の控えは持っているのですが、それに受付収受印や受付日付・受付番号の印字が無く、メール受信通知も無い事があります。その場合は委託先が保管している可能性があるので、そこへ問い合わせて取り寄せることになります。ファックスで入手しても構いませんが、写りが悪ければ不備となる可能性があります。メール受信通知が入手できなければ納税証明書や課税証明書を入手することになります。

 本人確認書類と通帳名義の漢字表記が異なるケースがまれにあります。字画でいうと1画違いというのがありました。結論から言うと、ご本人が幼少期から1画違いの漢字に慣れ親しんでいたため、大人になっても2つの漢字を併用していたことで、通帳作成当時の金融機関も戸籍と違う方の漢字の使用を認めたという経緯が確認できました。事業復活支援金の申請時には本人確認書類と通帳を撮影して添付しますので、名義が違うことを説明する必要があります。ありのまま上記で述べたことを記載したところ問題なく申請が通りました。