金銭の追加信託

 家族信託は認知症対策であり、金融機関の口座凍結対策であると以前に記載しました。親の財産は日常生活で必要となる最低額以外は全て信託口口座に預けておくべきです。具体的には、年金受け取り口座と信託口口座を2つ持つ状態にして、年金受取口座には最低限の額しか預けないようにしておきます。

 将来親の金銭財産が増えたときには、それを信託口口座に追加で入金することが理想なのですが、信託法では追加信託という文言はありません。そのため信託口口座に追加で入金しようとした場合は追加変更契約書を委託者と受託者間で取り交わすことが原則となります。ただし、家族信託契約書の中であらかじめ追加信託の条文を盛り込んでおくと、追加変更契約書を取り交わす必要がなくなり、簡易な手続が可能になります。

 追加条文の例は以下の通りです。

 第〇条 委託者は、本件信託財産に金銭の追加信託をすることが出来る。

   2 前項の追加信託をする場合、委託者は受託者指定の銀行口座への振り込み又は預け入れにより行うものとし、当該振込みまたは預け入れの事実をもって、追加信託契約の成立とみなす。

   3 受託者は、前項によるつい信託の成立後、速やかに追加信託を受けた旨の書面を委託者に対して交付する。