建設業許可を受けるためには、原則として役員の中に常勤役員等(経営業務の管理責任者等)がいることが要件です。そしてその対象となる人物は現在常勤していることが条件です。現在常勤していることを確認するためには下記の書類を用意します。
①健康保険被保険者証の写し
被保険者証に記載されている事業所名で確認します。事業所名の記載の無い場合には下記の方法をとります。
ア 対象者が国民健康保険被保険者証の所持者の場合
・標準報酬決定通知書の写し
・資格取得確認および標準報酬決定通知書の写し
・住民税特別徴収税額通知書の写し
・確定申告書の写し
イ 対象者が在籍出向で他社の事業所名が記載されている健康保険被保険者証を所持している場合
・出向契約書などの疎明資料が必要。
なお、健康保険法の一部を改正する法律により、保険者番号や被保険者の記号番号は、健康保健事業またはこれに関連する事業の遂行等の目的以外で告知を求めることは禁止されました。従って、確認書類として提出する際には各保険証の写し、標準報酬決定通知書の写し等には記号や番号の部分にマスキングして提出する必要があります。
②居所を確認する資料
常勤性を証明するためには、居所を確認する資料も提出する必要があります。ただし住民票は確認資料としては使用できなくなってきています。どのような資料で常勤性を判断するのかは、申請先によっても違いがあるようですので、事前に確認した方が良さそうです。東京都の場合は、居所から2時間以内の通勤時間であれば通勤可能としています。場合によっては定期券やETCの使用履歴の提出も必要になるかも知れません。
また、以下に該当する方は、常勤性の観点から常勤役員等には選任できません。
・他に個人営業を行なっている者
・建設業の他社の技術者、経営業務の管理責任者、常勤役員等、補佐者
・他社の代表取締役
・他社の清算人
・宅地建物取引士
・管理建築士