統計にみる生活保護②

 生活保護は一旦受給を始めるとその後ずっと受給できるのでは無く、保護を受給しなくても再び自立した生活を送れるように務めなくてはなりません。昭和45年には保護受給期間で最も多いのが5年~10年未満で全体の24.7%です。一番少ないのが6ヶ月~1年未満9.1%です。ちなみに10年以上の長期受給者は13.1%です。令和元年の統計でも大きな傾向に変更は無く、5年~10年未満が全体の29.8%を占めます。ただし15年以上の長期受給者が17.2%いることが特徴としてあげられます。

 病類別医療扶助の受給件数の令和2年の構成比をみてみますと、総数では、その他を除いて一番多いのが循環器系の疾患で23.7%です。入院・入院外別では、入院外で多いのは同じく循環器系の疾患です。一方入院では精神及び行動の疾患が最も多くなり34.6%です。現代では精神的な原因によって生活が困窮している人が増えているということでしょうか。

 統計は、保護の開始理由別の構成比の推移もとっています。ここでも時代の推移のよって変化がみてとれます。昭和60年には世帯主の傷病を理由として保護を開始することが68.4%でした。平成の時代に入っても更に増加し平成7年には同理由が75.3%となっています。その後徐々に減少し令和元年では世帯主の傷病を理由とする保護開始は21.9%となっています。令和元年で最も多い理由が預貯金の減少・喪失です。核家族化が進行し、世代を超えた援助が減ったり、関係が希薄化してきたことも影響しているような気がします。

 保護の廃止理由にも時代背景が反映されています。昭和60年は世帯主の傷病治癒が25.4%で最も多い結果でした。令和元年は死亡・失踪が最も多く49.0%です。世帯主の傷病治癒を理由とする保護廃止はほとんどありません。高齢化が進み、一旦保護を受給し始めると生涯保護から脱却できない受給者が増加していることが想定できます。