生活保護の原則

 生活保護法では、制度を具体的に実施するための原則が4つ定められています。「申請保護の原則」「基準及び程度の原則」「必要即応の原則」「世帯単位の原則」です。

 〇 申請保護の原則

   生活保護は、国民の側から申請をすることを前提としています。他方で、保護を要する人を発見した場合や、首長などから通報があった場合、要保護者が急迫した状況にあるときは、申請がなくても職権で保護できるようになっています。

 〇 基準及び程度の原則

   保護を実施するに当たり、対象者の状況と程度が明確に決められていなければ、保護を実施する自治体によって判断基準に差が生じ、無差別平等に保障することができません。そこで生活保護法第8条で、保護の実施は ・厚生労働大臣の定める基準により測定した ・要保護者の需要を基とし ・その者の金銭または物品で満たすことのできない ・不足分を補う程度のおいて行う と規定しています。

 〇 必要即応の原則

   生活保護法第9条では「保護は、要保護者の年齢別、性別、健康状態等その個人又は世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効かつ適切に行うものとする」と定めています。

 〇 世帯単位の原則

   保護が必要かどうかの判断は、その個人の属している世帯全体について判断するという趣旨です。従って個人でみれば困窮状態であっても、属する世帯の他の人がそうではなく、生活面で援助が可能であれば要保護とは判断されないことになります。これは、生活困窮という状態が、個人に現れる現象であると言うよりは、生計を共にしている世帯全体を見て初めて把握される現象であるという社会通念に基づくものです。