生活保護の要否判定

生活保護法には「世帯単位の原則」があることは既に述べました。ではここでいう世帯とはどのようなものなのでしょうか。

原則は「同一の住居に居住し、生計を一にしているものの集まり」です。従って親族以外の他人が含まれていても、同一の世帯と判断されます。また、入院や出張等で別居している場合でも、それが一時的なものであって、経済的には他の家族と一体性があり、将来は自宅に戻る場合は同一の世帯と判断されます。

世帯の認定では例外規定もあります。世帯分離と呼ばれていて、特定の者を別に生活しているとみなして別世帯扱いをするものです。例えば働く事が出来るのに働こうとしない者がいるとき、その者を切り離して考え、他の家族だけを保護することがあります。そうしなければ、その者一人のために他の家族が保護を受けられなくなります。また、要保護者が他の世帯に転入したような場合、転入した者だけを別の世帯とみなして保護することがあります。そうしなければ転入先の世帯全員に最低生活を強いることになるからです。長期間入院する者を抱えた世帯については、当該入院患者だけを保護の対象とすることがあります。そうすることで、他の家族はできるだけ一般世帯の生活に近い状況で生活をさせていくことができます。