農地転用②

 農地転用の許可申請手続きを行う際には、農地法上の独特な用語が出てきます。その定義の理解は許可申請を行う上で欠かせませんので、ここで確認していきたいと思います。

 〇農地

  耕作の目的に供される土地、と定義されています。登記簿上の地目では「田」「畑」となっていることがほとんどです。客観主義として、現に耕作されている土地はもちろん、現在は耕作されていなくても耕作しようとすればいつでも耕作できるような土地、つまり客観的に見てその現状が耕作の目的に供されるものと認められる土地(休耕地、不耕作地)を含む、とされています。

  現況主義として、農地であるかどうかは、その土地の現況によって区分するものであって、土地登記簿上の地目によって区分するものではない、ともされています。これは登記簿上で「宅地」となっていても、評価証明書上では「畑」となっていることもあり、登記簿上の地目が農地であるかどうかの絶対的判断基準ではないということです。

 〇採草放牧地

  農地以外の土地で、主として耕作または養畜の事業のための採草または家畜の放牧の目的に供される土地、と定義されています。「耕作または養畜の事業」とは、耕作または養畜の行為が反復継続して行われることをいい、必ずしも営利の目的であることを要しません。

  「採草または放牧の目的」に関しては、河川敷、堤塘、公園、道路等は耕作または養畜のための採草放牧の事実があっても、それが主目的とは認められないので採草放牧とはならない、とされています。

 〇世帯員等

  住居及び生計を一にする親族並びに当該親族の行う耕作または養畜の事業に従事するその他の二親等内の親族、と定義されています。住居または生計を異にしても親族が行っている農業に従事している二親等内の親族は世帯員に含めます。

 〇農地所有適格法人

  農事組合法人、株式会社(公開会社でないものに限る)または持分会社で、次に掲げる要件の全てを満たしているもの。

  ㋐その法人の主たる事業が農業(中略)であること。

  ㋑その法人が株式会社または持分会社の場合は、※特定の事由 に該当する株主の有する議決権の合計が総株主の議決権の過半を占めていること。持分会社にあっては、※特定の事由 に該当する社員の数が社員の総数の過半を占めていること。

   ※特定の事由 はここでは省略します

  ㋒その法人の常時従事者たる構成員が理事等の過半数を占めていること。

  ㋓その法人の常時従事者たる理事等または使用人のうち、1人以上の者がその法人の行う農業に必要な農作業に一年間に省令で定める日数以上従事すること。