生活保護の収入認定

 生活保護では、現実に金銭や現物として本人に流入するものは一切を収入とみなされます。働いて得たもの以外でも、年金や手当、公的給付や仕送りも一切が収入とみなされます。しかし一部の例外もあります。その例外を収入認定除外と呼びます。収入認定除外の例は、冠婚葬祭の際のお祝い金や香典です。これらを除外する理由は、贈った人の善意や期待を裏切る形になってしまうからです。収入認定除外とすることで、贈られた側は、最低生活費に上積みしてそれらを得ることが可能となり、結果として贈った人の気持ちが形として残すことができます。

 働いて収入を得るためには、通勤したり所得税や社会保険料を支払ったりします。収入を計算する際にはこのような社会保険料、所得税、労働組合費、通勤費などの経費については、実費を収入から差し引くことになっています。これを実費控除といいます。

 事業を営んでいる場合は、それにかかる諸経費を収入から先引きます。例えば農業であれば肥料代、種苗代、農薬代、農機具の修理代などです。

 働いていれば、働いていないときよりも衣類が多く必要です。このように就労のための需要などを考慮して稼働収入の多寡によって一定額を収入から差し引くことになっています。これを勤労控除と言います。

 農家の場合は、自分で食べる野菜などは自給自足をしています。この自給自足の部分は現物による収入とみることができますので、この部分も収入として計算します。これを自給認定を呼びます。