高齢者の経済支援制度

 現在の日本では、高齢になって働くことが出来なくなった人に対する経済的支援制度として代表的なものが2つあります。1つは公的年金制度です。もう一つは生活保護です。

 〇 公的年金制度

   公的年金制度とは、一定期間保険料を納めることで、一定の年齢に達すれば年金を受給出来る制度です。会社員として働いていれば年金は給料から天引きされて支払われていますので、自分で支払っている認識が薄いという人もいるかも知れません。会社員であれば国民年金と厚生年金の両方に加入しています。会社勤めはせずに自営業等で生計を立てている人は、国民年金だけに加入しています。国民年金と厚生年金の両方に加入している方が、将来もらえる金額が多くなります。自営業等の人は国民年金のみですので、将来の年金額を増やすため私的な年金制度への加入し備えることも考えられます。

   年金を納めていくことで将来受け取ることができる給付には、老齢年金、障害年金、遺族年金の3種類があります。

  ・老齢年金

   65歳に達した人がもらえる年金です。現在は年金を10年以上納めれば老齢年金の受給資格が得られます。65歳になる前に受給することを希望したり、反対に年金をもらい始める年齢を65歳以降にすることもできます。その場合はもらえる金額が変動しますので事前にチェックしておく方が良いでしょう。

  ・障害年金

   受給要件は ①初診日において被保険者であること、又は、初診日において被保険者であったもので日本国内に住所を有し60歳以上65歳未満であること ②障害認定日に一定の障害の状態にあること ③初診日の前日に保険料納付要件を満たしていること です。老齢年金と障害年金を同時にもらうことは出来ません。両方もらえる場合は、どちらか一方を選択することになります。

  ・遺族年金

   公的年金の被保険者が死亡した場合、その者によって生計を維持されていた遺族が受けることが出来る年金です。

 〇 生活保護

   憲法で保障されている、健康で文化的な最低限度の生活を維持し、自立を助長するための制度です。住所地の市役所の生活支援課等の窓口に申請します。申請後は役所の担当職員が保護の要件を満たしているかを調査します。申請者が施設に入所していれば、施設に訪問して生活状況、健康状態、利用料の内訳等を調査します。家族と同居していれば、経済状況は世帯単位で判断されます。