施設選択時のポイント

高齢になれば、様々な事情で在宅で生活することが困難になることがあります。そこで施設への入所を検討することになるのですが、施設には色々な種類があり個々の状況に合わせた施設を選択することが重要になります。資産の少ない方でも入所が可能な施設、ある程度自立した生活が可能な人が入居可能な施設など、種類が多くあります。

 特別養護老人ホーム(特養)は要介護3以上の比較的重度の認知症の人が入所できる施設です。費用は比較的低廉で、入居の順番待ちとなっていることもあります。実際には要介護4以上の人が多く占めているようです。終身の入居が可能です。

 老人保健施設(老健)はリハビリを受けながら在宅生活に戻ることを目的とする施設です。要介護1以上の人が対象です。長期間の入居はできず、概ね3ヶ月から半年程度の期間を想定しています。

 介護医療院は長期間の医療と介護が必要な要介護1以上の人が入居できる施設です。終身の入居が出来ます。

 グループホームは少人数で自立した生活を送ることが出来る、軽度の認知症の人が入居する施設です。日常家事を各自で分担して行い、認知症の進行を抑えることを目的としています。症状が進行したり医療ケアが必要となれば退去を求められることがあります。

 ケアハウスは自立した生活を送ることは出来るけど、身寄りが無く在宅生活に不安がある60歳以上の人が入居する施設です。要介護の認定を受けると退去を求められることがあります。

 養護老人ホームは、経済的、環境的要因で在宅生活が困難になった人が入居する施設であり、介護施設ではありません。社会復帰を目指す施設ですので長期間の入居は出来ません。また要介護の認定を受ければ退去を求められます。

 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は自立した人から介護が必要な人まで入居可能で、オプションで様々なサービスを付けることが出来ます。

 住宅型有料老人ホームは、見守り、食事の提供、清掃、洗濯などの家事援助を提供する施設です。介護サービスは提供していません。入居者は自立度の高い人が中心です。介護サービスが必要となれば外部の業者から提供を受けます。

 シニア向け分譲マンションは、通常のマンションを購入するように区分所有権を購入して入居します。従って他の施設のように介護や医療ケアが必要となったからと言って退去を求められることはありません。購入した権利は相続財産として相続人に遺すことが出来ます。施設内で提供されるサービスは施設毎に様々です。