成年後見人の定期報告

 成年後見人に就任したら、年に一度定期報告をする必要があります。報告時期は裁判所から就任当初に指示がありますが、時期が近づいてきてからの確認の連絡は無いこともありますので注意が必要です。報告をせずに期限を過ぎてしまうと、裁判所は後見人に連絡することなく専門職を後見人に追加選任したり、監督人に選任したりすることがあります。

 定期報告をする前には、被後見人本人と面会しておくことが望ましいです。それまでにも定期的な面会は行っているでしょうが、報告直前に会って話を聴くことや、施設の職員に近況を確認しておくことは有用だと思います。

 定期報告で提出する資料は ・後見等事務報告書 ・財産目録 です。家庭裁判所のホームページに書式が出ていますのでそれを利用します。本人の預貯金口座は、休眠口座も含めて全て記帳して報告しなければいけません。休眠口座を解約すれば事務の効率化を図ることが出来ますが、その場合は遺言で当該口座に関する記載が無いことを確認しておかなければいけません。定期預金等は残高証明書を入手する必要があるでしょう。

 収支状況報告書は、定期報告時に求められる資料ではありません。しかし成年後見人等の職務を遂行する上では定期的な収支の管理は行っておいた方が良いと考えます。

 年に一度の定期報告以外にも、事前に裁判所へ相談した方が良い事案もあります。大きな額の収入や支出があったときや、不動産等の重要な財産の処分があったとき、住所が変更したときはもちろんですが、判断に迷ったらまずは相談した方が良いでしょう。相談すれば裁判所から何らかの返答があり、その内容の通り進めておけば安心できます。