おひとり様の高齢者の財産管理

 現在増えている一人暮らしの高齢者は、健康寿命が延び、福祉サービスも充実してきているためお元気な方もたんさんおられます。しかし中には加齢に伴い身体的機能に支障が生じてきて、以前のように外出することが困難になってくることもあります。そうなれば通帳の記帳や各種支払、保険や賃貸借契約の更新手続、確定申告、年金や介護サービスの受給手続が十分にできなくなります。近くに親族がいて、サポートしてくれれば良いのですが、それも期待できないお一人様高齢者は、財産管理委任契約を締結することが有効的です。

 おひとり様高齢者と財産管理委任契約を締結するに当たり、まずは財産の調査を行います。これまで十分な管理が出来ていなかったとの前提に立ち、放置されているものが無いか調べます。保険の更新は行われているか、各種支払に滞納は無いか、年金の受給手続は適切に行われているか等、本人に聞き取りをしながら調査します。

 金銭管理方法は、契約内容によりますが、本人では十分な管理が出来ないようであれば、受任者が通帳等を預かることになると思います。預かったからと言っても日常的に必要な買い物まで受任者が行うことは通常はしません。本人自身で買い物が出来るのであれば、ある程度のお金は定期的本人に会って手渡すようにします。

 財産を預かった側は、契約内容に従い預かったお金の管理を適切に行っていることを定期的に報告します。通常だと報告相手は高齢者本人となりますが、公的な監督機関が無いため、報告相手にケアマネジャーにような第三者を追加しておくことも検討します。法定後見制度においても過去に不正は起こっていますので、私契約である財産管理委任契約ではなおのこと受任者自身を守るための対策を講じておく必要があると思います。