遺産分割協議書

 相続手続を開始し、戸籍を集めて相続人を確認し、相続人と相続財産が確定したら、次は遺産分割協議書の作成に入ります。最も相続人が単に子ども1人である場合は遺産分割協議書を作成する必要は無いこともあります。反対に数次相続が発生していて相続人が縁遠い人であったり、長年疎遠であったりする相続人がいたら、遺産分割協議書は必要です。その場合、まずはその人たちにお手紙を出すことから始めます。住所は戸籍の附票で確認します。手紙の文面は、相続が開始したことと、相続人になっていることを伝えるにとどめ、一度ご連絡が欲しいとお願いするような内容にします。最初から遺産の具体的な内容を知らせたり、依頼者の希望を伝えることは、私はしません。相手からすれば見知らぬ行政書士から急に手紙が来たこと自体不審に思うことですから、そのことを考慮して遺産分割協議に協力してもらうことを最優先で考えます。

 それと、行政書士は弁護士と違い、依頼者の希望を通すため他の相続人の考えを変えるような交渉や説得はできません。あくまでお互いの意見を伝達する役目に徹しなければいけません。そのあたり少し難しいのですが、意識して業務を行うべきでしょう。

 無事、相続人全員と連絡が取れ、協議がまとまったら遺産分割協議書を作成します。ここからは少しペースを上げます。相続人の考えが変わらないうちに協議書を完成するためです。実際に協議書を作成してみると、研修や書籍ではカバーしていない事もあり、同業者に何度もアドバイスを求めたこともありました。特に相続関係が複雑であれば、複雑なりの書き方があって、そこは基本書では載っていませんので、先輩に大変お世話になりました。

 そもそも遺産分割協議書の書き方に決まりは無く、誰が、何を、どれだけ取得するのかが分かれば良いとしている書籍もあります。しかし、決まりが無いということは、際限なく細かい書き方も出来るわけで、そのあたりの線引きが最初のうちは難しいと感じました。