相続人の確定③

 戸籍を集めたら相続人の確定をするのですが、ここが相続手続で最重要ポイントです。この作業で法定相続人を誤ってしまったまま遺産分割協議を行ってもその協議は無効です。後日正しい相続人間で再度協議をやり直さなければいけません。依頼者に負担をかけるだけでなく、専門職としての信用も失いかねません。

 行政書士は1人事務所が大半です。特に開業当初は1人の上に経験値が少ないため不安になります。そんなときは近所の同業者にアドバイスを求めたり、支部や都道府県会の役員の方に相談するのが良いと思います。実際私もたくさん相談に乗ってもらいながら業務を進めています。

 相続人確定の件ですが、被相続人の子が養子の場合、以下のような決まりがありました。

  〇 養子に、縁組み前に出生した子がある場合、その子は養親との間に法定血族関係が無く、代襲相続権がない。

  〇 一方、縁組み後に出生した子は、養親との間に法定血族関係があり、代襲相続権がある。

 これは、代襲相続が発生した際に関係してくる規定です。代襲相続とは、親より先に子が亡くなり、子の子(親からみて孫)が相続人になることです。

 代襲相続と似たものに数次相続があります。数次相続とは、親が亡くなり、その相続手続が終わらないうちに子である相続人が亡くなったときに発生します。代襲相続との違いは、代襲相続するのは子だけですが、数次相続では相続人の相続人全員が入ってきます。結果として相続人の数が一気に増えることが予想されます。

 数次相続の場合は、養子がいたとしても縁組み前なのか、後なのかを考える必要はありません。養子であれば相続人になります。実務を行っていると、この点が少し分からなくなり、先輩にアドバイスを求めたりしました。しかし相続の一般的効力である民法第896条の規定「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」という基本に立ち戻って考えて、頭を整理することが出来ました。