法定相続情報証明制度②

 法定相続情報証明制度は平成29年から開始した、割と新しい制度です。この制度ができた背景には、近年増えている空き家問題や所有者不明の土地の増加があります。通常は相続が発生すれば、被相続人所有の不動産は相続した人の名義に変更したりします。ところがこの名義変更が行われずに放置される不動産が多いことで、所有者不明の不動産が増加しています。

 法定相続情報証明制度は、相続における登記を促進するとともに、相続手続の負担の軽減を図り、相続登記の必要性についての意識を向上することが狙いとしてあります。そのこともあり、本制度の利用料は無料となっています。ただし、必要種類である戸籍等を取得する手数料は各市町村所定の手数料がかかります。

 申請できる人は、被相続人の相続人です。次の資格者代理人にも依頼することが出来ます。

  ・弁護士・司法書士・土地家屋調査士・税理士・社会保険労務士・弁理士・海事代理士・行政書士

 申出をする登記所は以下の通りです。

  ・被相続人の死亡時の本籍地を管轄する登記所

  ・被相続人の最後の住所地を管轄する登記所

  ・申出人の所在地を管轄する登記所

  ・被相続人名義の不動産の所在地を管轄する登記所

  このように、申出可能な登記所を広く設定していることからも、本制度の利用を促進したいという意図が伝わってきます。

 留意点として以下の項目があります。

  ・相続放棄をした相続人がいたとしても、この法定相続情報一覧図には相続人として名前が載ります。実際には遺産を受け取らないと決まった相続人も名前が載ります。