遺産分割協議書②

 遺産分割協議書には、被相続人に属していた財産は全て載せます。一般的には預貯金や不動産が多いかと思います。中には有価証券や車が含まれるケースも有るでしょう。預貯金や車や有価証券に関しては、遺産分割協議書の内容に基づいて行政書士が相続手続をすることができますが、不動産に関しては司法書士へ引継いで登記手続をしてもらわなければいけません。相続人だけで手続することもできますが、登記は複雑で手間がかかるので司法書士へ依頼することがよくあります。

 私も知り合いの司法書士の先生へ登記手続の引継ぎを行います。引継ぎをしたら、その先生は改めて登記のための遺産分割協議証明書を作成して相続人の署名捺印を求めます。最初のうちは二度手間であるし費用も余分にかかってしまいそうと思っていましたが、改めて作成するには理由がありました。登記用の協議書には不動産以外は載せるべきではない、というのがその理由です。登記情報は一定の範囲の人は誰でも見ることが可能で、遺産分割協議書も同じように見ることができるそうです。その時に預貯金などの余計な記載はないほうが良いとのことです。それと登記申請のための遺産分割協議書の作成方法にもコツというものがあり、そのための隙のない協議書であったほうが良いということです。

 県の行政書士会の役員の先生にこの点聞いてみましたが、司法書士の先生が遺産分割協議書を再度作成することはよくある事だとのことでした。依頼者側からすれば二度手間ですが、必要な手続であるということをしっかり説明し、理解してもらうことが大切だと思いました。