家族の誰かが認知症を発症して、判断能力が低下したきた場合、本人の財産を守ったり、身上保護をするのであれば、成年後見開始の申立てをすることを検討します。法定後見では判断能力の程度によって後見、保佐、補助の3種類あります。
後見開始の申立ては、申立人が本人の住所地を管轄する家庭裁判所に対して申立書等を提出して行います。申立人となれるのは、本人、配偶者、四親等以内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、検察官、市区町村の長です。
申立書は家庭裁判所に行けばもらえますし、裁判所のホームページから入手することも出来ます。申立書には成年後見人の候補者を記入する欄がありますが、そこへ記入しても必ずその人が選任されるとは限りません。
申立てに必要な書類は主に以下のものです。裁判所によっては追加で必要なものもあります。
・本人の戸籍謄本
・本人の住民票または戸籍の附票
・後見人候補者の住民票または戸籍の附票
・本人の判断能力に関する診断書
・本人の「登記されていないことの証明書」※既に任意後見登記がされていれば任意後見が優先します
・本人の財産に関する資料
申立てにかかる費用は申立人の負担になります。主な費用は以下の通りです。
・申立手数料 : 収入印紙800円
・送達用郵便切手 : 4000円程度(裁判所によって差があります)
・後見登記手数料 : 収入印紙2600円
・鑑定費用 : 10~20万円 ※鑑定を行わないこともあります
一度申立てをしたら、それを取下げるには取下げる理由を明らかにして、家庭裁判所の許可を受けることが必要です。後見制度は本人の利益のためにあり、その取下げも本人保護や公益性の視点から判断されるからです。