任意後見契約締結時のポイント

 高齢者の判断能力が低下してきた時点で、任意後見契約を締結することもあります。これを即効型任意後見契約といいます。即効型任意後見契約を締結するには、高齢者に契約の内容を理解できる判断能力があることが必要です。この判断は既述のように医師の診断書を取得することで行うことがあります。契約書を作成する公証人が判断能力に疑問を感じたら、公証人から医師の診断書の提出を求めることもあります。

 任意後見契約は委任契約ですので、契約の中に報酬額について特約で定めなければ無報酬となります。特約で定めれば金額や支払方法は自由に決めることが出来ます。一方、任意後見監督人の報酬については家庭裁判所が決定し、本人の財産の中から支払われます。現在成年後見人等と後見監督人の報酬額の見直しが検討されています。ちなみに平成25年に東京家庭裁判所が公表した「成年後見人等の報酬額の目安」では後見監督人と任意後見監督人の報酬額の目安は

  管理財産が5,000万円以下の場合:月額1~2万円

  管理財産が5,000万円を超える場合:月額2.5万円~3万円

 とされています。これに任意後見人に対しても毎月報酬が発生するのであれば、それなりの収支計画に基づいて任意後見契約を締結することが必要です。

 任意後見人の資格には制限はありません。一般的には親族が就くことが多いと思いますが、法律の専門家や社会福祉士が就任することも可能です。法人もなれます。複数人就くことも出来ます。家庭裁判所は任意後見監督人選任の審判の時点で、任意後見受任者が適任者であるかどうかを判断することがありますので、契約締結時には信頼できる人でなおかつ適格性がある人を選んでおくことも大切です。

 任意後見監督人の選任は最終的には家庭裁判所が決定しますが、本人は任意後見監督人の選任に関して候補者について希望を伝えたり、あらかじめ候補者を記載しておくことが可能です。ただしあくまで希望であって、必ずその通りに選任される訳ではありません。