● 信託財産であるお金の管理方法は、金融機関で信託口口座を作ってそこに入金しておく方法が一般的です。タンス預金でも可能ですが、信託契約は通常長期間に亘り、額も大きくなりますのでおすすめできません。金融機関で信託口口座を作っておけば、受託者が変わった時にスムーズに口座を引き継ぐことができます。信託口口座を作るためには先に信託契約書の案を金融機関にチェックしてもらい、了解を得ておく必要があります。金融機関によっては文言の追加修正の指摘が多くてなかなか話が前に進まないといった話を聞いたことがありますので、金融機関とのやりとりは時間の余裕をもって臨んだ方が良いでしょう。そのあとで公正証書を作ります。その公正証書を金融機関に持ち込んで信託口口座を開設してもらいます。この開設手続きは受託者が単独でできます。ただし現在信託口口座に対応している金融機関は全体の1~2割程度です。私が約2年前に実際に調べたところ、地元近隣で対応しているのはたった2行でした。徐々に増えているという話ですが、馴染みの金融機関で対応しているか確認は必要です。

● 信託契約の中の目録で、信託財産を記載します。お金は「現金 ○○円」という記載です。契約がスタートしたら委託者のお金を○○円になるまで信託口口座に入金していきます。その後は信託目的に沿って管理運用していきますが、将来追加で信託口口座に入金したい時に備えて信託財産の追加の条文を設けておくと良いです。家賃収入のある方や年金額が多い方などは追加信託のニーズはあると思います。もしこの条文が無くて追加信託をするときは、改めて契約書を取り交わすことになります。なお、不動産に関しては現金のような簡易な扱いはできず、原則通り司法書士立ち会いで追加信託の契約を交わすことになります。