人が亡くなるときは、ほとんど病院で亡くなっています。依頼者が危篤になれば病院から受任者へ連絡が入ります。すぐに病院へ行き同時に葬儀会社へ連絡を入れておきます。遺体の引取搬送を依頼するためです。受任者が自分で搬送することは避けた方が良いです。

病院から死亡診断書を受けとります。死亡診断書は死亡届とセットの書類です。その死亡届には届出人を記載する欄があり、届出人となることができる人は戸籍法87条で決められています。具体的には・同居の親族・その他の同居人・家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人・同居の親族以外の親族・後見人・保佐人・補助人・任意後見人・任意後見受任者 です。特筆すべきは最後の「任意後見受任者」が令和2年施行の法改正で追加されたことです。これにより依頼者と任意後見契約を締結しておけば、どのような場合でも受任者が単独で死亡届を提出できるようになりました。手続きをスムーズに行うことを視野に入れた任意後見契約の導入も必要になってくるでしょう。

葬儀、火葬に関する手続きは葬儀会社に行ってもらいます。死亡届の提出と火葬許可申請も葬儀会社の担当者に代行して行ってもらいます。搬送した遺体は死後24時間経過するまでは火葬できませんので、葬儀会社か火葬場で安置してもらいます。ただし感染症予防法によると、新型インフルエンザその他重大な感染症に罹患した遺体は24時間以内の火葬が可能です。更に遺体の取扱いに大きな制限が加えられます。新型肺炎の流行もあり葬儀プランの大幅な変更は想定しておいた方が良さそうです。

病室に残った依頼者の私物を引き取ります。量が多ければあらかじめ搬送のための手段を講じておく必要がありますので、事前に荷物の量は確認しておきます。

入院費については、依頼者の死亡日までの未払い分の精算をしなければいけません。病院の担当者には請求書を受任者へ送付してもらうように依頼しておきます。執行費用の準備に時間がかかりそうならその旨も伝えておきます。

事前に決めておいた通りの親族、知人へ死亡の連絡をしたり、葬儀日程の連絡をします。

ここまでが死亡当日のおおまかな業務内容です。前にも触れましたが、依頼者を看取ることは精神的な負担が相当あると思います。その影響で以後の業務に支障が出るようであれば死後事務委任契約は業務として受任するべきではありません。私は業務として取り組むつもりですが、この点は今後も自分に問いかけて確認していき、ブレることがないように心掛けたいと思います。