死後事務委任契約では本人の死亡後に、死後事務を執行するための費用がちゃんと確保されていることが重要です。費用を確保する手段としては、受任者へ預託する、信託会社へ信託する、死亡保険を活用する、依頼者が管理するの4種類が考えられます。
上記4つのうちまずは受任者へ預託する方法について検証します。この方法では契約した時に執行費用を受任者へ預けておきます。受任者側からすれば資金不足のリスクを回避することができます。相続手続きを待たず、スムーズに死後事務を開始することができます。一方依頼者側からすれば受任者の破綻、横領、不正流用のリスクが残ります。過去には実際に大きな事件もありました。更に受任者が先に死亡した場合は、預託金の返還手続きを受任者の相続人が行わなくてはならず、そのため依頼者にも負担をかけてしまうことも考えられます。
預託する方法を採用する場合は、何より依頼者、受任者間の信頼関係が大切です。そして受任者は高い倫理観とプライドをもって職務にあたるべきでしょう。