高額療養費

 長期間の入院や通院をして病院代が高額になれば、3割負担としても経済的に厳しくなってきます。そのようなときのために健康保険では、一定以上の自己負担額を超えたときにはその超えた額が払い戻される「高額療養費」という制度を設けています。

 高額療養費の対象となるものは次の給付の自己負担額だけです。

 ・療養の給付 ・保険外併用療養費 ・療養費 ・訪問看護療養費 ・家族療養費 ・家族訪問看護療養費

 上記以外の差額ベッド代や入院時食事療養費や入院時生活療養費などは対象外です。また、1年間に4回以上高額療養費の対象となった場合は「多数回該当」となって、4回目の支給分から自己負担限度額が引下げられます。

 一方、高額療養費の対象となり、払い戻しを申請しても、支給の決定までには相応の時間がかかります。そこでこのような一時的な金銭負担を軽減することを目的として「健康保険限度額適用認定証」や「高額療養費貸付制度」があります。

 健康保険限度額適用認定証は、事前に申請してもらいます。病院の窓口で保険証と一緒に提示することによって、そのときに高額療養費の限度額を超えたとしても自己負担額の支払のみで済みます。

 高額療養費貸付制度は、高額療養費が支給されるまでの間、高額療養費見込額の8割相当額まで貸付けてもらえる制度です。この制度は無利子です。

 限度額適用認定証の話は、死後事務委任契約の実務書を読んでいるときにも出てきました。改めてなるほどなと思います。高齢になると病院代もそれなりにかかりますので、この認定証のことは知っておくと良いですね。