遺贈によって利益を受ける人を受遺者といいます。胎児も受遺者になることができます。また、当然ですが、遺言者の死亡する前に受遺者が死亡したときは、遺贈はその効力を生じません。
特定遺贈の受遺者は、遺言者の死亡後はいつでもその遺贈を放棄することができます。包括遺贈の場合は、相続放棄の規定に従います。
いったん行った遺贈の承認や放棄は、撤回することができません。利害関係人に与える影響が大きいからです。もっとも、詐欺・強迫による取り消しは認められます。
負担付き遺贈というものもあります。例えば「〇〇〇〇に□□□を遺贈する。ただし〇〇〇〇は生涯にわたり、遺言者の愛犬△△を介護扶養し、死亡の場合は相当の方法で供養埋葬しなければならない。」という内容です。当然、遺贈の額の範囲を超えない限度での負担です。ペットに介護扶養という表現は違和感がありますが、公正証書遺言を作成するときは、このような表現が使われています。
遺贈は、遺言者がいつでも撤回することができます。遺言書自体に撤回の自由が認められているのですから、遺贈の撤回も当然にできることに疑問は生じません。