実際に依頼者から死後事務委任契約について相談を受けた時に確認しておく事があります。まずは死後事務委任契約を締結する目的です。依頼者は何らかの問題や不安を解消したいために相談に来ています。その核となる部分を把握することで、契約内容の方向が決まります。

また、親族がいる依頼者に認識しておいてもらわなければならないこともあります。それは依頼者の死亡の事実と死後事務委任執行の報告は親族にしなければならないということです。依頼者の立場は依頼者の死亡により相続人に引き継がれるからです。いくら不仲でも民法の規定上の義務があるため省けないのです。

相続関係を整理しておきます。上記の親族への報告義務を果たすためにも必要です。任意後見制度の利用も視野に入れておくなら、そのときの申立時に活用できます。この時には契約の事実を親族に知らせないことも可能です。その場合に生じるリスクは依頼者に説明します。

依頼者の財産を把握します。マイナスの財産も含め全てです。死後事務費用を除いた資産で今後の生活が維持できるかということを確認します。場合によっては契約内容を変更します。死後事務委任契約は公正証書遺言とセットで進めることも多いため、ここで集めた資料(通帳の写し 不動産登記簿謄本 固定資産評価証明書 住民票の写しなど)は遺言作成時にも使います。

依頼者が就労していればその情報もおさえておきます。給与明細や年金額が分かる物も提出してもらい、今後の生活設計の検討材料にします。