会社法では、公開会社、非公開会社という区別があります。公開会社とは、発行する株式の全部又は一部に譲渡制限を設けていない株式会社を指します。非公開会社とは、発行する全ての株式について譲渡制限が付されている株式会社を指します。株式譲渡制限会社とも呼ばれます。小規模、少人数の株主で会社を設立しようとするときは、非公開会社で良いと思います。
また、会社の規模によって大会社、非大会社というように区別して呼ぶことがあります。大会社とは、資本金が5億円以上又は負債総額200億円以上の会社を指します。非大会社とはそれ以外の会社です。大会社か非大会社かは従業員の人数で判断するのではありません。たとえ従業員が少人数でも資本金が5億円以上あれば大会社と呼びます。
非公開会社は、株式を譲渡によって取得するには当該株式会社の承認を要する、という事項を定めることができます。根拠条文は会社法第107条第1項です。そしてこの承認機関は ・取締役会が設置されている会社であれば取締役会 ・それ以外の会社では株主総会であるのが原則です。通常は定款で以下のように記載します。
(株式の譲渡制限)
第〇条 当会社の発行する株式の譲渡による取得については、代表取締役(又は取締役もしくは取締役会)の承認を受けなければならない。ただし、当会社の株主に譲渡する場合は承認したものとみなす。
非公開会社は、譲渡制限株式の相続人から強制的に株式を取得することができるように定款で定めることができます。その趣旨は、会社にとって好ましくない者の会社経営への参加を防ぐためです。根拠条文は会社法第174条です。定款には以下のように記載することが通常です。
(相続人等に対する売渡請求)
第〇条 当会社は、相続、合併その他の一般承継により当会社の譲渡制限の付された株式を取得した者に対し、当該株式を当会社に売り渡すことを請求することが出来る。