遺留分改正②

 平成30年の民法改正では、従来の遺留分減殺請求権が遺留分侵害額請求権に変更されたことは前回述べました。この改正時には同時に遺留分侵害額の計算方法も以下のように定められました。

 遺留分 = ①遺留分を算定するための財産の価額 × ②相対的遺留分 × ③遺留分権利者の法定相続分

 詳しく説明するために以下に分けて考えます。

 ①遺留分を算定するための財産の価額とは、以下の計算で算出します

  被相続人が相続開始時に有した積極財産の価額 + 贈与の価額(原則、相続人に対するものは10年、その他は1年間) - 債務全額

 ②相対的遺留分とは

  相続財産の2分の1です。直系尊属のみが相続人の場合は3分の1です。つまり、被相続人の相続財産が金銭価格に換算して1,500万円あれば、遺留分となるのは750万円です。相続人が直系尊属しかいない場合は500万円が遺留分となります。

 ③遺留分権利者の法定相続分

  民法で定められている法定相続分です。

 こうして遺留分侵害額が算出されれば、次に遺留分侵害額を計算します。

  遺留分侵害額 = 遺留分 - 遺留分権利者受けた特別受益 - 具体的相続分に応じて遺産分割により取得すべき遺産の価額 + 遺留分権利者が相続分に応じて承継した相続債務の額

 

 遺留分はどのくらいなのか、というご諮問を受けることがあります。その際は「法定相続分の半分」という説明をすることもありますが、実際には上記の様に少し複雑な計算式によって算出されます。