自筆証書遺言を書いて保管していても、それが相続人等に発見されなければ意味がありません。そしてこれまで相続人等が遺言者の自筆証書遺言を効率的に探す方法は限られていましたが、法務局で保管制度ができたことにより、自筆証書遺言が法務局に保管されていれば、保管の有無や遺言書の内容等について検索することが出来るようになりました。
遺言者の相続人や、遺言書に記載された受遺者やその相続人、遺言書で指定された遺言執行者その他の関係相続人等は、法務局に対して自己が関係相続人等に当たる遺言書の保管の有無等に係る証明書の交付を請求できます。この証明書のことを遺言書保管事実証明書と呼びます。この請求はどの法務局に対してもできます。
遺言書保管事実証明書に記載される事項は以下の3点です。
① 関係遺言書を法務局が保管しているか否か
② 保管されている遺言書に記載されている作成の年月日
③ 関係遺言書が保管されている法務局の名称及び保管番号
法務局に保管されている遺言書の内容を知る方法には、遺言書情報証明書を取得することがあります。遺言書情報証明書はどの法務局に対しても交付請求でき、以下の事が記載されます。
① 保管されている遺言書の画像
② 遺言書に記載されている作成の年月日
③ 遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍
④ 受遺者または遺言執行者があるときはその者の氏名等
⑤ 法務局が遺言書の保管を開始した年月日
画像だけではなく、実際の遺言書を見て筆跡や筆圧等を確認したいときは、実際に遺言書を保管している法務局に対して閲覧請求できます。
なお、公正証書遺言の場合は従来から検索機能はあります。