相続改正③

 改正民法では、長年連れ添った夫婦の一方が亡くなったときの遺された他方の保護を手厚くしました。今回はその中の「配偶者短期居住権」について触れていきます。

 これまでは、例えば被相続人が夫婦で住んでいた家を第三者に遺贈した場合などのように、被相続人が自分の死亡後も配偶者にその家を居住させる意思があったとは認められない場合には、遺された配偶者は保護されませんでした。このような事態に対応し、配偶者の居住権を短期的に保護する目的で、配偶者短期居住権が設けられました。

 配偶者短期居住権は以下の場合に成立します。

  ① 居住建物が遺産分割の対象である場合

   ・遺産の分割による居住建物の帰属が確定した日

   ・相続開始の時から6ヶ月を経過した日

   のうち、遅い日までの間、他の相続人に対して存続します。

  ② ①以外の場合

   例えば、遺贈によって配偶者以外の第三者が居住建物を取得した場合、その取得者はいつでも配偶者に対して申し入れをすることができ、申し入れがあった日から6ヶ月を経過する日までの間継続します。

 配偶者短期居住権を取得した配偶者は、建物の使用については善管注意義務を負います。また、建物所有者の許諾が無ければ第三者に使用させることは出来ません。配偶者居住権と違い、賃貸等の収益はできません。

 建物所有者は、配偶者短期居住権の登記を備えさせる義務は負いませんが、第三者に譲渡するなどして、配偶者の居住建物の使用を妨げてはいけません。