相続手続①

 士業のほとんどが相続業務を取扱っています。その理由の一つとして、試験勉強と直結していて初見でも取り組みやすいというのがあります。もう一つの理由は、需要が相応にあるからです。よって行政書士だけで無く司法書士、税理士、弁護士という多くの士業が参入している分野ですので、いわゆるレッドオーシャンといわれる過当競争の分野と言えます。

 当事務所は開業当初、あえてこの相続分野が含まれる終活から取り組みました。それには開業前の介護職員としての経験が影響しています。介護の仕事を一年強行っておりましたが、認知症の利用者とその家族に対して制度面からサポートしていきたいと考えるようになりました。用意されている制度を知らないために不利益を受ける人たち、利用していないために困った事態に陥る人たちを見てきました。問題を先送りにするという個人的な価値観の問題もありますが、もっと危機感を与えて事前の備えを促すことができれば防げた問題もあります。終活全般を扱う士業が身近にいれば、気軽に相談できていたはずです。当事務所はそのような身近な相談先として位置づけられたいと思っています。

 予定通り開業直後は相続の案件を続けて受任しました。一言で相続手続と言っても中身は細分化されますが最も多い依頼は ①金融機関の預貯金の解約 ②不動産の名義変更 の二つです。それ以外には ・遺産分割協議書作成 ・相続関係説明図作成 ・遺言執行 などがあります。そして全てに共通する必要な作業は戸籍の収集です。

  相続手続に必要な戸籍は以下です。

   〇被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本

   〇相続人の現在戸籍抄本

   ※被相続人が死亡した後で死亡した相続人がいる場合は、その人の出生から死亡までの戸籍謄本が必要です。

 謄本というのはその戸籍に在籍する全ての人が載ったものです。抄本はその戸籍の中でその人だけが記載されたものです。なぜ相続人の現在戸籍を抄本で取得するのかというと ・手続に必要な戸籍を取得するときは余計な情報をとってはいけない ・不動産登記の名義変更で使用した戸籍はその後関係者が確認することが可能なので関係ない人の情報は出すべきでは無い という二つの理由からです。特に前者は県の行政書士会から厳しく指導されています。