労働保険とは

 働く人が加入する公的保険の中に労働保険があります。労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険の2つを労働保険と呼びます。労災保険は、業務災害と通勤による災害が原因の怪我、病気、障害に対して補償を行います。雇用保険は、仕事を失ったときの生活保障を主な目的とする基本手当(失業手当)の給付を行います。

 2つの労働保険は、労働者を1人でも雇えばその事業所は原則として強制加入です。ただし個人事業等一部は任意加入となっています。

 労災保険で言う労働者とは、「職種の種類を問わず、事業に使用されるもので、賃金を支払われるもの」をいいます。使用者から指揮命令を受け、労働力を提供し、賃金を受けるものは、正社員・パート・アルバイトを問わず全て労災保険が適用されます。労災保険の保険料は全額事業主負担ですので、労働者が払うことはありません。保険料は事業の種類のよって決められています。

 雇用保険の加入条件は、週20時間以上の所定労働時間があり、かつ、引き続き31日以上の雇用契約の見込みがあることです。65歳以上の人は高年齢被保険者となり、年齢に関わりなく加入できるようになっています。雇用保険の保険料は労使折半となっていて、労働者の保険料は毎月の給料から天引きされています。保険料についても、事業の種類のよって決められています。

 労働保険は、事業主や役員などの労働者でないものは原則として加入することが出来ません。しかし事業主のみで経営している会社などのように、事業主=労働者の場合もあり、労働者と同じように保護した方が良いケースもあります。そこで、事業主や役員でも任意で加入できる「特別加入」という制度があります。