まず性同一性障害(性別違和)について説明します。これは生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的には他の性別であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自分を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を持つ者であって、その事について診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する2人以上の医師の一般的に認められている医学的見地に基づき行う診断が一致しているものです。

上記に該当する人は家庭裁判所に対して、性別取扱い変更の審判を申し立てることができます。家庭裁判所は申し立てと提出された資料によって審理し、申し立てが認められるときは性別取扱いの変更の審判をします。そして裁判所書記官が審判を受けた人の本籍地の戸籍事務を行う者に対して戸籍の変更を嘱託します。

変更の審判を受けた人の戸籍に他の人が在籍している場合は、審判を受けた人を除籍し、新しく戸籍を作ります。新しい戸籍で父母との続柄が変わります。除籍された戸籍にも新しい戸籍にも「法律第111号3条による裁判発効」との記載がされます。これが性別変更の審判のことです。一見してそれとは分からなくなっています。