被後見人の居住用家屋の管理も後見人の仕事です。修繕やバリアフリーなどの改築の手配も、必要に応じて行います。独居の被後見人が施設に入所している場合は、空き家の管理もしなければいけません。定期的に見回りをして異常がないか確かめます。ポストの中身も回収します。庭に雑草が増えてきたら、除草作業を依頼したりします。野良猫が住み着いて、近所から苦情が出たケースもありますので、資産状況を加味しながら家屋の取り壊しまで含めて検討することも必要でしょう。
財産を増やすことを目的とした投機的な取引は、たとえ被後見人のためだとしてもできません。後見人は財産の維持、管理が職務の目的だからです。それではすでに被後見人の財産の中に、株や国債などの価格が変動する金融商品があればどうするべきでしょうか。結論は、そのまま保有します。たとえ値上がりしていたとしても、処分後に更に値上がりする可能性もあり、処分のタイミングの判断がとても難しいからです。例外的に被後見人が売却を望んだり、価格の下落が明らかな状況であれば、処分も検討します。また、被後見人の財産が少なくて生活費を捻出する必要があれば同じく処分を検討します。