後見制度の利用を検討するときには、専門職後見人に相談が寄せられることもあります。無料相談会では後見に関する相談は、遺言相続に次いで多いのが現状です。本人以外から相談を受けることも珍しくありません。例えば本人の親族、福祉施設の職員、医療機関、民生委員、知人、金融機関、不動産業者等です。

 本人以外からの相談を受けた時は、制度利用が本人のためなのかどうかを見極める必要があります。認知症のため金融機関から後見人を付けるよう言われた場合や、遺産分割協議を行うために後見人が必要な場合といったケースでは、本人よりも家族の利益が優先されがちです。また、一度後見制度を利用すれば、目先の問題が解決しても、本人の判断能力が回復するか本人が亡くなるまで制度利用が続くことをしっかり認識してもらうことも大切です。

 本人からの相談の場合は、身体能力が低下していても判断能力がしっかりしていれば、後見制度は利用対象では無いこと、後見人等は直接介護等を行わないことを理解してもらうようにします。また、現在抱えている不安が死後のことなら遺言や死後事務委任契約を、判断能力が低下する前の生活に関することであれば見守り契約等を検討することになります。

 後見人になる人に親族等の候補者を立てることがありますが、法定後見の場合は誰を後見人に選任するかは家庭裁判所が判断します。候補者を立てても、その人が選任されるとは限りません。実際には多くのケースで専門職後見人が選任されています。申し立ての途中で、候補者以外の人が選任されそうだからといって申し立てを取り下げることはできません。