行政書士の処分事例②

 前回は他士業法違反を掲載しましたが、今回は行政書士法違反を中心にご紹介します。行政書士法違反で多いものは・会費滞納・誠実履行義務、信用、品位確保義務違反・業務取扱の順序及び迅速処理違反などです。以下少し詳しくご紹介します。

〇業務放置

 処分理由:一般から特定への建設業許可変更、更新、決算変更届等の業務依頼を受任し、報酬を受け取ったにもかかわらず、その業務を放置し、依頼者との連絡を絶った。

 処分内容:廃業勧告

〇事務所の変更登録申請義務違反

 処分理由:行政書士名簿に記載されている事務所所在地に事務所を構えていないにもかかわらず、事務所所在地の変更登録申請を行っていない。

 処分内容:訓告

〇行政書にふさわしくない重大な非行

 処分理由:①依頼者に対して事前に明確な報酬の説明も見積書の提出もなく、不適当な報酬を請求した。

      ②依頼者に事前に説明することなく相談料として10万円を上乗せして請求した。

      ③依頼者から、押印の相手方に渡す目的で2万円を受取り、送金後、相手方より返金を受けたが、そのまま手元に置き、依頼者から指摘を受けるまで引き渡しをしなかった。

      ④依頼者からその息子を通じて戸籍謄本の領収書の交付を求められたにもかかわらず、誠実にこれに応じず、その後の数回の電話にも応答しなかった。

 処分内容:6ヶ月間の会員の権利の停止

 独立した事務所を持つということは、全ての責任を負わなければならないということです。会社員と違い、組織の後ろ盾やしっかりした業務規則があるわけではありません。自分の進んでいる方向が間違っていないか、時々自分で確認していく必要があります。過去の処分事例はそのような軌道修正をする際に参考資料の一つになるでしょう。