行政書士事務所には、個人事業主の独立した事務所と、行政書士が共同して設立した法人事務所があります。この行政書士法人の特徴としては、①高度な依頼に対応できる ②継続、安定して業務できる ③賠償責任が強化される ことが挙げられます。
以前は行政書士法人を設立するには行政書士が2人以上必要でしたが、令和3年6月からは1人でも法人を設立できるように法改正がされました。ただし、法人化してそのメリットを享受するには、ある程度仕事を安定的に確保することが前提になりますので、新人が開業時に1人でいきなり法人事務所を立ち上げるのはリスクも伴います。
行政書士法人は営利社団法人ですが、合同会社の色が強い社団法人です。つまり、法人の財産は出資者である行政書士の共有となり、法人が弁済できない債務は行政書士が連帯して無限に責任を負います。
行政書士法人の社員行政書士には競業禁止義務が課せられています。行政書士個人として、法人と競争して業務を行うことはできません。当然ながら、他の行政書士法人の社員を兼ねることもできません。これに対して使用人行政書士は、他の行政書士法人に勤務することもできます。
現在、山口県内では、行政書士法人の数は数えるほどしかありません。法改正後でも1人で法人を立ち上げたという話はあまり聞きません。依頼者の立場からすれば、相手が個人か法人かでは信頼度に差が出るところでしょう。今後の動向を見たいと思います。