行政書士の処分事例

 行政書士法第1条の2

 1 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関するを作成することを業とする。

 2 行政書士は、前項の書類の作成であっても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

 条文上の「他の法律」には・弁護士法・司法書士法・税理士法・社会保険労務士法・建築士法・土地家屋調査士法・海事代理士法・弁理士法などがあります。以下で過去の処分例で代表的なものを挙げます。

〇弁護士法違反

  処分理由:法律事務に関する代理行為を行う権限がないにも関わらず、請求者の代理人として報酬を得る目的で、交通事故及び労災事故において、加害者側及び保険社と交渉をし、着手金あるいは報酬の名目で不当な利益を得た。

  処分内容:5ヶ月間の業務の停止

〇司法書士法違反

  処分理由:司法書士でもなく、かつ法定の除外理由がないにもかかわらず、業として、依頼人からの依頼を受け、3回にわたり、株式会社設立に係る登記申請書を作成し、法務局又は地方法務局に提出し、司法書士業務を行った。

  処分内容:2ヶ月間の業務の停止

〇社会保険労務士法違反

  処分理由:社会保険労務士の資格・登録を有しないにもかかわらず、行政書士の職務以外の業務たる「遺族年金請求書の作成及び提出手続きの代行」のための行政書士の職務上請求書を使用した。

  処分内容:廃業の勧告

〇税理士法違反

  処分理由:①税理士ではなく、かつ、法律に別段の定めがある場合でないのに、業として、4回にわたり、行政書士事務所他1カ所において、依頼を受け、税務書類である所得税確定申告書等計4通を作成し、もって税理士業務を行った。

      ②①以外で税理士でないにもかかわらず、業として、少なくとも30回にわたり、税務書類である所得税確定申告書計30通を作成し、もって税理士業務を行った。

  処分内容:2ヶ月間の業務の停止

 以上は業際問題といわれていて、特に新人行政書士にとっては判断が難しく、意図せず違反行為をしてしまうこともあるところです。業務範囲の広い行政書士は業際問題も常に意識しておかなければいけません。中にはグレーゾーンの業務もあって、それを扱う先輩行政書士もおられます。しかし私は最初のうちはグレーなら手を出さないようにしようと思っています。