会社法第121条によると、会社は株主名簿を作成し、①株主の氏名、名称及び住所 ②当該株主の保有株式数、種類 ③当該株主の株式取得日 ④株券発行会社の場合は当該株式に係る株券の番号 を記載または記録しなければいけないと規定されています。この株主名簿は書面でも電磁的記録でもどちらでも良いです。株券非発行会社の株主は、株主名簿の記載事項を記録した書面の交付を求めることができます。これは自分の株式を譲渡する際に、自分の権利を相手に証明するためです。
株主に対する通知は、株主名簿上の住所にすれば足ります。もしその住所に対して行った通知が5年以上継続して到達しないときは、会社は以後、その株主に対して通知をする必要はありません。
株式の譲渡は原則自由に行えます。しかし、新たに株式を譲り受けた株主が会社に対して権利を行使するためには、株主名簿の名義書換をしなければいけません。この名義書換が未了のうちは、会社は、仮に譲渡の事実を知っていても、株主名簿上の株主を株主として扱えば良いことになります。一方、名義書換が未了のときでも、会社の方から、新しい株主を株主として扱うことは可能です。
株式は日々取引されています。現時点で誰が株主であるのかを会社が正確に判断するのは簡単ではありません。そこで会社は基準日制度を設け、その基準日の時点での株主を後日権利行使ができる株主としています。例えば6月末に株主総会を開催する場合、5月31日時点を基準日とします。株主総会で権利行使ができる株主は、5月31日時点で株主名簿に登録された株主となります。5月31日以降も株式は取引されますが、新たに株主となったとしても6月末の株主総会で権利行使はできません。この基準日と権利行使日は3ヶ月以内としなければなりません。
会社は、株主名簿を本店に備え置き、株主・債権者・親会社社員の閲覧請求に応じなければいけません。一定の場合を除いて、閲覧請求は拒絶できません。